人事部の業務支援から、DX推進へ発展。ベンダーやコンサルではできない、ITの範疇を超えたサポートで信頼関係を構築

グローバル化学メーカーとして、エレクトロニクス事業、医療・医薬品事業、ICT&S事業を手がける太陽ホールディングス株式会社。その中で、情報システム部の役割は、グループ全体のIT環境を支え、DX戦略を推進することです。
情報システム部とグループのICT事業を担うファンリードは、数年間にわたり人事部の業務支援を担い、業務効率化に努めてきました。現在、グループ戦略として人事DXプロジェクトが立ち上がり、タレントマネジメントの実現を目指しています。この人事DXの推進のため、情報システム部から人事部も兼務されるようになった飯田様に、これまでの経緯と今後の展開について伺いました。
人事部の業務支援からDX推進のポイント
- 課題:人事部内の優先業務が多く、業務改善に工数をさける状況ではなかった
- 人事部の業務は入退社や人事異動をはじめ、タイトな期限に追われるものが多い。
人事部だけでは業務改善に踏み出せていなかった。
- 改善:人事部の業務推進を第一に、ファンリードが現場の業務を理解したうえでの改善を提案
- 人事領域の業務への理解が重要。
ファンリードが単なるシステムの引き渡しではなく、実際の業務の流れに収まるまでをフォロー。
人事部が効率化を実感でき、業務見直しの意識が生まれた。
INDEX
ITの枠を超えた人事業務支援がDXを動かす
- 太陽ホールディングスグループでは現在、人事DXを進めていらっしゃるそうですが、そこに至るまでの経緯を教えてください。
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太陽ホールディングスは、グローバル化学メーカーです。プリント基板の表面を覆い、回路パターンを保護する絶縁膜となるインキ「ソルダーレジスト」において世界トップクラスのシェアをもち、医療・医薬品、食糧・エネルギー、ICT&S事業を展開しています。
グループ各社のDXやIT環境の整備を推進する情報システム部が、数年にわたって人事部の業務を支援してきました。人事領域のシステム導入や拡張、そして運用・保守を担ってきたのですが、その中心的役割を果たしてもらったのが、同じ太陽ホールディングスグループ内でICT事業を担うファンリードです。ファンリードからは常に数名のエンジニアに参画してもらい、人事部の困りごとに対応してもらっています。
人事部の業務支援から発展して、現在はグループ内の人事DXプロジェクトが立ち上がり、タレントマネジメントの実現とグループ全体での業務標準化を軸として進めています。

- 人事領域でのDX推進でポイントになるのはどんな点ですか。
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ポイントはITそのものではなく、人事部の業務推進に寄り添うことです。
人事部の業務は、入退社や人事異動の対応をはじめ、期限が短くかつ厳守のものが多くあります。ですので、人事部のメンバーと一緒に「業務を進める姿勢」が重要です。ファンリードによる業務支援は、システムやITの枠を超えた、業務への理解が深く、品質を維持してやり抜いてくれました。そうして築いてきた人事部との信頼関係があるからこそ、ファンリードにはいまDXに参画してもらっています。
例えば、DX推進において、外部のコンサルティング会社に依頼するという方法もあると思います。しかし、現場との信頼関係がない状態で「会社の将来像として正しい」という発信だけでは、DXは進まないと感じています。DXによって、一時的にでも業務負荷が増えることは、なかなか現場には受け入れられません。まずは現場の目の前の業務を効率化。そして、情報が活用しやすくなったことを体感してもらうことで、人事部の工数がより付加価値のある業務に充てられるように取り組んでいるところです。
ベンダーと現場の橋渡しはもちろん、現場の人手不足にも対応
- 人事部への業務支援の内容を教えてください。
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私たち情報システム部とファンリードが連携し、3~4年にわたって人事部への業務支援を行っています。支援内容を大きく分けると、(1)評価や昇格に関わるシステムの新規導入・拡張、(2)システムの運用・保守、になります。
どちらも言葉だけではシステムそのものに見えますが、ITの範疇を超えて支援していただいています。
- ITの範疇を超えたサポートとは、どんなことですか。
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例えば、システム導入が人事部の人手不足の時期と重なっていたことがあります。そこで、ファンリードが人事部の役割の一部を支援しつつ、現場の状況を見ながら引き渡していきました。人事部に引き渡す際にはよりスムーズな運用のためにツールを作ったり、というプラスのサポートもしていただきました。
人事部の忙しさには、時期によって濃淡があります。ファンリードはその濃淡を汲み取ってサポートし、業務改善に活かしてくれています。そうした臨機応変な対応が、人事部との信頼関係につながっている、と感じています。
- ファンリードとベンダーの役割の違いはどこにありますか。
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ファンリードが、システムの開発元であるベンダーと現場との間に立って、必要な条件整理や修正内容の検証を担ってもらっています。
1~2年前に人事規程の大幅な変更があり、勤怠システムに大きく影響したことがありました。ベンダーに有償サポートを依頼しましたが、正直なところ、ベンダーでは影響範囲を拾い切れず、ファンリードに不具合や設定漏れを事前にカバーしてもらいました。ファンリードがベンダーからの修正提案を検証して、他にも影響範囲があることを指摘したりと、ベンダーよりもシステムに精通しているのではないか、と思うほどのサポートでした。
タレントマネジメント実現とグループ内の業務標準化へ、より上流からの参画を期待
- 業務支援から発展した、いまのDX推進について教えてください。
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これまでの人事業務支援により、DXを進めやすい素地ができました。次のステージとしてグループ全体のDXという視点で、「タレントマネジメントの実現」と「グループ内の業務の標準化」を目指していきます。
「タレントマネジメントの実現」は、グループ規模が拡大し、人材の幅も広がってきたことが背景にあります。人材情報の可視化を通して、従業員一人ひとりのスキルや志向と、会社の事業におけるニーズとをマッチングし、人材の流動性を高めていくことを目的にしています。
「グループ内の業務の標準化」は、これまでの人事業務支援の経験を活かし、グループ全体の人事業務の再構築、オペレーションの効率化を目指しています。人事部メンバーが、より付加価値の高い業務に視点を移し、創造的な発想を持つことが目的です。
- DX推進において、ファンリードにはどんなことを期待されていますか。
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ファンリードが培ってきた現場との信頼関係、改善の実績を高く評価しています。
そのうえで、今後は“ありたい姿”を一緒に考えていく、という上流のところから積極的に入ってもらえると有り難いです。目の前の業務効率化を超えて、グループ全体の視点でより良くしていく提案をしてもらいたいですし、一緒にそれを考えていきたいです。
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