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チャットボットや一般的な生成AIを超える効果!
STiV開発へのリクエストで品質管理業務における「経験・知識の標準化」を実現

KMバイオロジクス株式会社様
品質保証統括部

業種
製造業
事業内容
医薬品の製造・販売
従業員数
2,029名(2023年6月現在)

KMバイオロジクス株式会社は、感染症の予防薬や疾患の治療薬などの研究・開発・製造・供給を担い、ヒト用ワクチン・動物用ワクチン・血漿分画製剤・新生児マススクリーニングの4つの事業を行う国内唯一の製薬企業です。品質管理・製造管理業務において「専門領域における経験・知識の標準化」の課題解決を目指すなかで、STiVの開発パートナーといえるほどの関係を築いてきました。品質保証統括部の畠山さんに、社内でなぜSTiVへの期待が高まったのかを伺いました。

導入のポイント

課題 1
法令や省令、行政通知、業界ガイドラインなど膨大な情報を入手して理解する必要があるため、品質管理業務の長期経験者に依存していた。
導入後
調査時間の大幅な削減を実現。誰でも、いつでも、容易に必要な情報にアクセスできるため、業務の中で人を育てる環境ができた。
課題 2
チャットボットや一般的な生成AIを導入したが、シナリオ作成の労力や情報根拠の不透明性など課題が残った。
導入後
STiVはシナリオ不要で、情報根拠が明確な精度の高い検索が可能。情報参照先の指定もできるようにリクエストし、業務によって使い分けられる。
課題 3
チャットボットや一般的な生成製造や品質管理に従事する従業員は、製造管理・品質管理に関する膨大な情報を取扱わなければならなく、「知らないが故の見落とし」が発生し、それが「悪意を持たない不正」につながるリスクがあった。AIを導入したが、シナリオ作成の労力や情報根拠の不透明性など課題が残った。
導入後
業務に対する従業員の意識改革につながった。誰でもすぐにSTiVを活用できることで、製造や試験検査における「何かが違う」「どこか変」といった気づきを活かせるようになり、ミスを抑制する効果も期待できる。

医薬品の製造販売業者と製造業者の両方の立場で、膨大な調査業務が重複し、かつ経験者に依存していた

KMバイオロジクス株式会社について教えてください。

KMバイオロジクス株式会社は、ヒト用ワクチン・動物用ワクチン・血漿分画製剤・新生児マススクリーニングの4つの事業を行う国内唯一の製薬企業であり、予防・治療のプロフェッショナルとして人々の健康で豊かな未来に貢献することを目指しています。

STiV導入前の課題について教えてください。

社内には医薬品の製造販売業者と製造業者の立場があり、製造販売業者は複数の製造業者を管理・監督する構図になっています。製造販売業者・製造業者の各々の担当者が、品質管理・製造管理業務を行うために、薬機法(※)や省令、行政通知、業界ガイドラインにアクセスして調査する必要があり、担当者ごとに膨大な調査時間がかかっていました。そのため、5年以上の経験がある担当者に業務が偏ってしまい、若手が育ちにくい環境が続いていました。

「この状況を何とかしたい」と2020年頃から動き始め、2021年末にはチャットボットを導入しました。当初の課題は、各担当者の重複した調査時間の解消でしたが、チャットボットの導入により次の課題が見えてきました。

※ 薬機法とは……医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律。

チャットボットや一般的な生成AIでは解消できなかった課題の解決をSTiVに期待し、開発上の提案も行った

チャットボットなどで解決できなかった課題は、どんなことですか。

まず、チャットボットの導入で、各担当者が省令や関連文献を調査する時間は大幅に削減されました。しかし、チャットボットはユーザーが利用する際の会話の流れ(シナリオ)を前提としているため、そのシナリオ作成にはかなりの時間と法律・省令の専門知識が必要でした。省令や通知の更新頻度が高いため、チャットボットの情報更新にはどうしてもタイムラグが生じてしまいます。結果、チャットボットでは、時間と知識が必要という課題が残りました。

次に、チャットボットに一般的な生成AIを取り入れましたが、複数の情報源から平均的な回答が生成されるため、情報根拠が不明瞭となり、回答内容の正確さにも不安が残ります。私たちのような専門性の高い業務においては「情報の平均化」はデメリットとなり、情報の根拠データが明示されること、業務によっては参照データを限定できることが重要だと分かりました。

STiV導入に至った経緯を教えてください。

STiVを知ったのは、実は私たち品質保証部門よりもDX部門が先でした。DX部門と一緒にSTiVのサービス紹介を受けた際に、部内で浮かび上がっていた課題をクリアできるのでは、と興味を持ちました。STiVはシナリオ作成も不要ですし、回答の情報根拠も明示されます。

一般的な生成AIチャットサービスまでを試した結果、独自のシステム開発が必要なのではというところまで考え始めていた時期でもあり、STiVがまだ開発段階で、私たちからの要望をヒアリングして取り入れていく姿勢を見せていただいたことも大きかったと思います。実際に「情報参照データを限定した検索もできるようにしてほしい」という要望に応える開発を進めていただき、現在は必要に応じて参照データを絞って業務を行っています。

年間1800時間の工数削減(シミュレーションで算出)に加え、従業員の気づきが活きる仕組みができた

STiV導入でどんな効果がありましたか。

私たちの試算では、STiV導入により年間1800時間の調査・検索工数削減につながりました。これは、チャットボットと一般的な生成AIによる780時間削減を大きく超えるもので、情報元データをアップロードするだけで、誰でもいつでも膨大なデータからの検索・回答抽出ができる、というSTiVの利点が効いています。

そして、実際にSTiVを使ってみて感じているのが、業務効率化が従業員の意識も変える、ということです。製造しているうえで「何かが違う」「どこか変」といった気づきはとても重要で、一人ひとりのちょっとした気づきからすぐに検索する、確認する、という行動を起こせるようになりました。それは、知らないことが原因で起こるミスや不正を防止することにもつながります。

これまでは、個人によって知識・経験の差が生じていましたが、情報がSTiVに集約され、誰でも引き出しやすくなりました。業務における情報が標準化され、人材を育てる素地となっています。新人や若手が根拠を明確に持ち、自信を持って意見が出せる、そうした環境づくりができました。

今後、STiVに期待することはありますか。

STiVには、必要な情報を検索・抽出することからさらに進んで、生成AIによる回答作成ができるようになることを期待しています。すでにその開発が進んでいると聞いていますので、現場からの意見はどんどん伝えていこうと思っています。

製薬業界では、これまで製造現場への投資が重視されがちでしたが、今後は品質保証部門への投資がカギを握ると言われています。厚生労働省からも不正や品質不良を出さない環境づくりが求められています。こうした転換点に、STiVと一緒に業務を変え、私たち自身の意識を変えて、従業員一人ひとりが日々の業務に向き合っていきたいと思います。

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